キャブセッティングデータ

私のキャブセッティング方法を紹介します。

また、よくスズキ純正部番注文しても廃盤またはバックオーダーで入手できなかったという話を聞くので、下記セッティングパーツ番号を付記します。
例えば、メインジェット270番ならなら『ミクニTMキャブ用メインジェット:4/042の270番』
ニードルジェットのP-1なら『ミクニTMキャブ用ニードルジェット:P-1』、
ジェットニードルならば『ミクニTMキャブ用6FL85-55』とそのまんまの番号(但し、パーツリストの最後の数字はクリップ位置なので不要)
パイロットジェットの25番なら『ミクニTMキャブ用パイロットジェット:VM22/210の25』
とレーシングパーツ取扱店などに伝えればメーカー(この場合はミクニ)欠品になっていなければ入手できます。
ミクニTMキャブのボディ刻印○○番(キャブボディの吸気側に刻印されています)といえば、より間違い防止になると思います。
但し、通常のバイク部品量販店ではまず無理、というか店員が理解不能状態に陥って無駄な時間を費やします。

@MJの設定(セッティングパーツ 4/042の○○番)
  40〜50Km/hの一定速度からの急加速による速度上昇具合を確認
  〜出来るだけ早い回転数の追従性が得られるようにする
  最高回転数が得られる番手にする
   また、焼きつきなどのトラブル防止のために番手の大きい方(濃い限界)を選択する
  パワージェットは全開域の補正するのが役割なので、私は今まで無変更です

AJN,NJの設定
  スロットルバルブ1/4〜3/4の開度に影響を与える部品
  この領域で
  薄い場合:低速走行時のギクシャク感、加速時の息つき・失速・ノッキング
  濃い場合:プラグの燻り、もたつき、ボコつきなど加速不良(回転数がスムーズに上がらない)
  JN 例)6FL85-55-3
      6(全長60mm台) F(1段目テーパー角) L(2段目=先端のテーパー角) 85(製造番号でサイズと無関係) 55(ストレート径)      3(クリップ位置〜上から3段目)
  NJ アルファベットが降順ほど、数字が大きいほど濃くなる
     基本はクリップ段数変更では変化が大きすぎる場合に微調整として変更すると効果的です 
      O-8<O-9<P-0<P-1<P-2<P-3…

Bパイロットの設定
  Vガンマはエアスクリュー(AS)方式なので、サービスマニュアル指定の戻し回転数を基準に
  濃い場合:戻す
  薄い場合:締め込む
  但し、適正戻し範囲の1〜2回転戻しから外れる場合にはPJ番数(セッティングパーツ VM22/210○○番)変更で調整する
  適正値の判断方法
  @ニュートラルギアでスロットルを少し回し、エンジン回転がスムーズに回るか?
   回転の立ち上がりが遅い、回転上昇に谷が有る→薄い
   排気煙過大、排気音が重い、回転上昇が遅い→濃い
  A低負荷走行
   20〜30Km/hをスロットルグリップ一定で走れない→薄い
   排気煙過大、排気音が重い、回転上昇が遅い→濃い

Cセッティング以前の確認事項
  @インマニ、エアクリーナーチューブの取付部にエアリークは無いか
  Aエアクリーナーの目詰まりの有無
  Bプラグ、ハイテンションコード等、電気系の作動は正常か
  Cオーバーフローの有無
  Dスロットルワイヤーの緩み、引きすぎの有無
  Eガソリンタンクのエアベントに詰まりは無いか
  Fスロットルバルブの磨耗、傷の有無(これがあるとセッティングが出づらくなります)


スロットルバルブ磨耗例


  G各ジェットの穴詰まりの有無(清掃はキャブクリーナーにドブ漬け後、歯間ブラシで穴をさらう、針金は傷付きの原因となり得ます)
    及び磨耗の有無

Dセッティング方法

スロットル開度 症状 濃・薄 セッティング
全開 息つき、ノッキング、オーバーヒート MJを大きくする
全開 頭打ち、ボコつき、パワー不足 MJを小さくする
1/4〜3/4 息つき、ノッキング、失速 JNのEリング段数を下げる
1/4〜3/4 もたつき、ボコつき、加速不良 JNのEリング段数を上げる
1/8〜1/2 息つき、ノッキング、失速 NJを大きくする
JNのテーパーをきつくする
1/8〜1/2 もたつき、ボコつき、加速不良 NJを小さくする
JNのテーパーをゆるくする
アイドリング 回転不安定 PJを大きくする
ASを締め込む
アイドリング 排気煙過大、音が鈍い、しばらくするとエンストする PJを小さくする
ASを戻す
急閉時 アフターバーン、回転戻りが遅い PJを大きくする
ASを締め込む

※Vガンマでは、JNクリップ位置変更すると変化が大きすぎるのでNJで調整する事をお奨めします

Eトラブルシューティング

症状 元凶 対処
アイドリング回転が下がらない @スロットルストップスクリューの調整不良
Aチョークが開いている
Bスロットルワイヤーの引きすぎ
@適正な回転にセットする
Aチョークレバーを戻す
Bキャブ側及びアクセルグリップ側ワイヤアジャスタにて若干遊びがあるように調整する
アイドリングが一定しない @混合気濃度不良
Aスタータプランジャ戻り不良による過濃
B吸気管系のエア漏れによる過薄
Cパイロット系のごみ詰まりなどによる混合気不適正
Dスロットル開度同調不良
@ASを調整する
Aチョークレバーを前閉状態にしてもスタータプランジャが前閉しない場合は圧縮空気などで清掃。それでも改善しない場合にはスタータプランジャ、リターンスプリング等を交換する。
Bキャブインシュレーター部締め付け不良及び取り付け不良等
C点検清掃する
D同調調整する
スロットルが自力でアイドリング開度まで戻らない @スロットルワイヤーの貼りすぎ
Aスロットルリターンスプリングの破損など
Bスロットルボア変形、ピストンバルブの磨耗変形
@キャブ側及びアクセルグリップ側ワイヤアジャスタにて若干遊びがあるように調整する
Aスロットルリターンスプリングの交換
Bピストンバルブ交換、キャブ本体交換
スロットルを戻すとエンストする @アイドリング回転の低すぎ
A混合気濃度の不適正
@スロットルストップスクリュにより適正回転数に調整する
AASを調整する

F一般的な濃すぎ、薄すぎの症状

濃すぎ 薄すぎ
特性はフラットだが、加速感にメリハリ無く頭打ちが早い 伸びはあるが、パワー感無く、低速走行中にギクシャク感が有る
暖気されると悪化、チョークを引くと更に悪化 暖気されたり、チョークを引くとよくなる
エアクリーナーを外すとよくなる エアクリーナーを外すと更に悪化
エンジン音が重々しく、スロットルレスポンスが鈍い エンジンブレーキ時にアフターバーンが出る
プラグが煤ける キャブ内でバックファイヤが起こる
吹け上がりが遅く、パワー不足 プラグが白く焼ける、オーバーヒートしやすい

VJ21,22キャブ標準セッティング
型番 MJ MAJ JN NJ PJ PAJ PWJ1 PWJ2 使用車種
TM32 32mm L:200 - L:6FL65-54-4 O-6 25 0.7 L:100 1.0 J型
12C00 R:200 R:6FL65-54-4 R:100
TM32 32mm L:260 - L:6FLD72-56-2 L:P-2 27.5 1.0 L:75 L:0.8 K型
12C20 R:260 R:6CKF1-56-3 R:P-0 R:65 R:0.7
TM34SS 34mm L:270 - L:6FLD72-56-2 L:P-3 27.5 1.0 L:75 L:0.8 FK型
12C60 R:270 R:6CKF1-56-3 R:P-1 R:65 R:0.7
TM32SS 32mm L: 250 0.6 L: 6FL85-55-3 O-9 27.5 1.3 L: 60 0.7 L型
22D0 R: 270 R: 6FLD86-56-3 R: 50
TM34SS 34mm L: 270 0.6 L: 6FL85-55-3 O-8 27.5 1.3 L: 60 0.7 FL型
22D1 R: 280 R: 6FLD86-56-3 R: 50 FNL型
TM30SS/ 22D5 32x28mm L: 260 0.7 L: 6GH8-55 O-9 27.5 1.3 L: - - M型
R: 260 R: 6GH9-55 R: - N型
TM34SS 34mm L:270 0.6 L:6GH9-55 P-0 27.5 1.3 L:40 0.6 FM型
R:280 R:6GH9-55 R:35 FNM型
22D6 FN型
FNN型
TM30SS 32x28mm L: 260 1 L: 6GH13-55 L:P-5 20 0.6 L: - - P型
R: 250 R: 6GH13-55 R:P-4 R: -
TM32SS 32mm L:250 0.6 L:6FL85-55 P-0 27.5 1.3 L:50 0.7 FP型
R:240 R:6FL85-55 R:57.5
TM34SS 34mm L:270 1.5 L:6GH8-55-3 O-8 27.5 1.1 L:55 0.7 RS250
R:280 R:6GH8-55-3 R:55
現状キャブセッティング
セッティング日時:2008/6/15
型番 MJ MAJ JN NJ PJ PAJ PWJ1 PWJ2 エアスクリュー
TM34SS/12C61 34mm L:270 - L: 6FL85-55-3 L:O-9 27.5 1.0 L:75 L:0.8 2回転戻し
R:280 R: 6FLD86-56-3 R:O-8 R:65 R:0.7
クリップ位置 R/L共3段目
インプレ:L:良好 R:低速〜中速域で濃い(ボコつく)。プラグがカブリ気味
セッティング日時:2008/8/10
型番 MJ MAJ JN NJ PJ PAJ PWJ1 PWJ2 エアスクリュー
TM34SS/12C61 34mm L:270 - L: 6FL85-55-3 L:O-9 25 1.0 L:75 L:0.8 1.5戻し
R:270 R: 6FLD86-56-3 R:O-8 R:65 R:0.7
クリップ位置 R/L共3段目
セッティング日時:2012/1/3
型番 MJ MAJ JN NJ PJ PAJ PWJ1 PWJ2 エアスクリュー
TM34SS/12C61 34mm L:270 - L: 6FL85-55-3 L:O-8 27.5 1.0 L:75 L:0.8 1.5戻し
R:280 R: 6FLD86-56-3 R:P-3 R:65 R:0.7
クリップ位置 R/L共3段目 油面:L:7.6 R:7.8

2012/1/3セットアップ変更時の気付き事項
@L側キャブのフロートバルブOリングがへたり気味
AR側フロートチャンバーガスケットが伸び気味
BR/L共にフロートのバルブ接触面に凹みが出てきている
@〜Bとも次回には交換すべきと判断する