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この頁では、これまで全く1/43キットを作った事のない方の為に、基本的な「レジン・キットの作り方」を紹介します。といっても、ここでお見せする工程は私の個人的な手法であって「唯一絶対の正しい作り方」ではありません。模型の作り方なんてものは、モデラーが100人いれば100通りあって当然なもの。あくまで1つの例として、初めてのレジン・キット作りの参考にして下さい。
ちなみに、このコンテンツは1/24のプラモデルをキチンと全部塗装して作れる人を対象にしています。今まで全く模型を作った事の無い人や、塗装の基本的なノウハウがない方は、このページを見ながらいきなり1/43キットを作ろうとしても、そりゃ無理です。まず普通のプラモデルを5個くらい作って模型作りに慣れる事をお勧めします。
初めての1/43キットには、とにかく簡単なものを選びましょう。間違っても最初からフル・ディティールのメタル・キットなんぞに手を出してはいけません。そういうキットは商品としては大変魅力的でソソられますが、不馴れな人が作ろうとすると確実に地獄に転落します。何を隠そう、実は私自身20年ほど前に初めて挑戦した1/43キットは、ホワイトメタルでエンジン再現あり、エッチングテンコ盛りの、かなり厄介なキットでした。悪戦苦闘したものの、プラモ歴10数年の経験は全く役に立たず、あえなく撃沈。自信喪失して相当にヘコみました。それがトラウマになっちゃって、その後しばらくは「43なんて2度と作るもんか!」と思っていた程です。
ところが、その数年後に気を取り直してプロバンス・ムラージュのレジン・キットを作ってみたら、目からウロコが落ちました。「なんだ、あれは俺が悪かったんじゃなくて、キットが初心者向きじゃなかっただけじゃん!」ということで、めでたく自信回復。今ではどんなにヤクザなキットでも笑って作れるようになりました。最初からプロバンスあたりにしときゃ回り道せずに済んだワケ。
ではどんなキットが初心者にとって「簡単なキット」なのか? レジン・キットの場合、ザッと挙げると次のようなものです。
| 大手メーカーの製品 | メーカーによって技術力の差が大きく、小規模なメーカーのキットには非常に粗悪なものも結構ある。そういうのをマトモに組むにはモデラー自身の智恵と工夫が必要。その点、プロバンス・ミニチュアのような大手はキットを作り慣れてるから、パーツ構成に無理がない。 |
| オープンカー | ヒートプレスのウィンドウの合わせが、初心者には結構ネックなのだ。屋根が無ければ合わせもグッと楽。 |
| 単純なカラーリング | レジンは塗装の食い付きが良くないので、慣れないうちはマスキングと一緒に塗膜がバリッといったりして失敗するケースが多い。2色のうち1色をデカールで再現するものも、デカールのみの取り寄せは難しいから失敗は許されない。ロードカーか、もしくは単色でゼッケンだけ、みたいなのが良いでしょう。 |
| エッチングが少ない | プラモデルから1/43に入る人は、エッチングの扱いに慣れてないことが多い。最初のうちはワイパーとグリルだけ、なんてのがよろしい。窓枠が全部エッチングになってるBBRなんかは、カナモノに慣れてからにしましょう。 |
| フォーミュラカー以外の車種 | F1等のキットは、サスペンションやウィング等が繊細で、慣れないと塗装も取付も難しい。同じ理由でCカーも最初は避けた方が良い。羽根の無いのから始めましょう。 |
さて、こういったキット自体の特徴を見極めるのも大事ですが、実はもっと大事な事があります。それは「好きなクルマ」って事。なにしろ、今までプラモデルしか作った事がないアナタが、43レジンという全く新しい世界にチャレンジするのです。最初はそうスンナリとは行かないよ。そういう時、何の関心もない、大して好きでもないクルマだったら、アッサリと「もういいや。やーめた」と投げ出してしまうかも知れない。でも、好きなクルマのキットなら「何としても完成させてやる!」っていうモチベーションを持ち続けられる筈。
ということで、今回私自身のストックの中から「初心者向き」として選んだのは、スターターの「ロータス19」。実は10年くらい前のキットなので、同じものを探しても多分もう入手は難しいでしょう。でも、これに似たシンプルな構成のキットは他にも色々ありますから、参考にはなると思います。それでは、さっそくキットの箱を開けてみましょう! ワクワク。
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ボディ、シャシー(ただの板っぺら)、シートにステアリング、バックミラー。 プロポーションは良いけど、スジ彫りはすぐ埋まっちゃいそう。フューエルリッドなんかも一体でモールドされています。このまま塗り分けて気楽に作っても良いし、別パーツ化するのも楽しいぞ。 シートにはベルトのモールドが入っていて、なかなかイイ感じ。 |
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60年代のレーシングカーに良くある丸いウィンドウ・シールド。切り抜くのは一見難しそうだけど、ラインがクッキリ入ってるので大丈夫。合わせは下側だけで良いので割と簡単です。 エッチングも少しだけなので安心ですね。 スターターは上下合体用にマイナスのタッピングビスが入ってるけど、これは使わない方が良い。力を入れて締めているとツルッと滑って大惨事を引き起こす事があるのです。(←経験アリ…)プラスのビスを自分で調達しましょう。 |
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タイヤはちょっとダサイ出来。自作するか、別売の良い奴に替えたいね。すぐに作らない場合は、タイヤだけジップロックの小袋に分けておく事。品質の悪いタイヤは、長期保存すると油が出たりする事がある。レジンキットはナマ物だ。 ホイールはすごく良いのが付いています。なんとエッチングじゃなくて本物の編み込みスポーク! 小さな部品はテールパイプ。 車軸は長さが決まっていません。43では自分でやるのが常識。 もう1本のヘニャヘニャな銅線は、これでロールバーを作れって事らしいぞトホホ。 |
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デカールはたったこれだけ。楽勝ですね。カリグラフのデカールは印刷も綺麗です。 1/43のデカールは多くの場合、良質なシルク印刷なので、白い部分も透けたりしないし、クリアーにも強いのです。(たまに例外もあるけどね) デカールが箱の中で折れ曲がって入っている場合は、箱から出してクリアファイル等に入れて保存しておきましょう。まあ買ってすぐ作れば問題無いんだけど、ストック溜め込むのはモデラーの性ですから。 |
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説明書は…これだけだ。まあ、あるだけマシ。取りあえずボディの色は判ります。部品図とか細かい塗装指示とかはありません。最近のキットでは、もうちょっとちゃんとしたのが入っているのもあるけど、一般的にはこの程度が普通です。 判らない所は自分で調べる、調べても判らなければ想像や推理で補う。それもまた模型作りの楽しみの一部です。資料が無いから作れないなんて言ってると幸せになれないぞ。 |
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シリコンゴム型は金型と違って、表側にはパーティング・ラインがありません。しかしボディのスソ周りで型を割るので、その付近にバリが発生します。このキットの場合はコクピットの内側のフチにもバリがありましたが、レジン・キットとしては少ない方です。 樹脂自体が柔らかいので、バリ取りは簡単。デザインナイフやノミでサクサク切れます。 |
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バリ取りが終わってスッキリしたボディ。フェンダー・アーチは多少形がおかしい箇所があったので、ペーパーをあてて修正しておきました。手作りの原型だから、左右対称は完璧じゃないけど、完成すれば気にならないから、あまりこだわらない。 スターターのキットは表側には目に見えるような気泡もなく、とてもキレイです。 |
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スジ彫りの彫り込みは、必須ではありません。私はパネルラインがクッキリしていて開きそうに見える仕上がりが好きなので、必ず深く彫りますが、気にならない人はこの工程はスッ飛ばしちゃってOK。 上がストック状態、下が彫り込んだ状態。塗装前だとイマイチ、ピンと来ない…。塗装すると違いが際立つんだけどね。 私は刃先を削って薄くした「チューンドPカッター」(笑)で彫っていますが、初めての人はニードル・スクレイパーの方が簡単かも。スジの深さは約1ミリ。これ位にしておくと、スミを流す必要がありません。 |
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このクルマはヘッドライトにカバーがかけられています。ここは開閉するわけじゃないけど、ボディパネルと一体じゃないという事を表現するために、ドア等と同じように彫り込んでおきます。 カーブしている部分はキレイに彫るのが結構難しいので、スジ彫りをやった事がない人は、こういう部分はシカトしちゃった方が無難かもね。ま、しかし、何でも実際にやらないと上手くはならない。経験を積んで上手く彫れるようになれば仲間に自慢出来る。 「どうよ、このシャープなスジ!」 「ふーん。それで?」とか言われちゃったりして(笑)。模型って基本的に自己満足の世界なんだよね。 参考までに言うと、私はこういう箇所は、先端をグラインダーで研いで刃を付けたケガキ針で軽く彫ってから、「チューンドPカッター」で整えています。コーナリングは慎重にね。 |
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フロントフードにはオイルフィラーとフューエル・コックが一体モールドされています。モールドのままにしておいて、後でメタルックを貼るとか、シルバーで塗るとかでも充分だ。 私はアルミの挽きものフェチなので、ここは別パーツ化する事にしました。これも気にならない人はすっ飛ばして先に行きましょう。 パーツは旋盤で自作しますが、この段階では作りません。塗装の厚みで入らなくなっちゃうからね。 取り付け易いように、穴はちょっと深めに開けておきます。 |
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テールライトも一体で、ヒジョーに淋しいモールドなので、これもアルミ自作に決定。トロン等の別売パーツもあるので、そういうのを使っても良い。私は自作した方が楽しいと思うので最近はあまり使いません。もちろんモールドのままでも気にならない人はそれでイイのよ。 リアサス周りは寝惚けたモールドでお尻にくっついていますが、これはそのまま。だってメンド臭いんだもーん。こういう所を弄り始めると、いつまで経っても完成しません。43はパッパと作って沢山並べてこそ楽しいと私は思います。 |
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スターターのキットは気泡が少ないので助かるけど、皆無ってワケじゃない。サイドシルの下側にはいくつか大きいのがありました。薄皮の下に気泡が見える時は、後で膨らんでくるとイヤなので穴を開けて埋めちゃいましょう。 気泡や段差を埋めるのにはポリパテを使います。タミヤなんかの硬化剤に色が付いている奴は、後でクリアーを吹いた時に色が染み上がってきたりするので避けましょう。私はソフト99の「厚付けパテ」を使っています。 メーカー完成品はこういう所は普通やってないので穴だらけのまんまです。痒い所は自分でかけるのが「作る人」の楽しい所なんだよね。 |
次は仮組みに進みます。その前にちょっとコーヒーでも飲んで一息入れましょう。模型作りはTake it easy! 熱中し過ぎてアツくならない事。