TZR250 20年も乗ってりゃじじいになるよなあ・・・。

 「SPIRIT OF COMPETITION その名もTZR」


その名もTZR

1985年晩秋の販売開始からマイナーチェンジ含め1989年春までが国内における形式名1KTの生産期間だが歴代TZRの中では最も売れたモデル。皮肉だが(個人的には)最初のモデルが最も完成されたマシンだ。デビュー時に先行販売されていた同社のRZR、ホンダNS、スズキΓ、カワサキKRが一気に色褪せ、250CCクラスといった枠を超えた人気と実力を備えたバイク界のドレッドノート的存在だ。現行モデルYZF-R1の開発コンセプトなどはこの1KTをそのまま引用したのではないだろうか。軽量な車体、軽やかに吹け上がるパラレルツインに操ることが楽しいハンドリングは2ストロークバイクのあるべき姿を教えてくれる。罪があったとすればこのカテゴリーをパフォーマンス至上指向へと導いてしまいユーザーから見限られてしまうきっかけとなってしまったことだろうか。

ヤマハだけはR1-ZやDT230などユーザーに2ストロークの楽しさを訴えるモデルを販売し続けたが若者から見放された現代のスポーツバイクというカテゴリは大型免許の取得方法が正常化したあおりも受け社会人が中心層だ。新規ユーザーが少ない日本では現ユーザーの高齢化により何れ絶滅するのではないだろうか。

なっくるがーど

COWLING (カウリング)

当時のファクトリーマシンYZRや市販レーサーTZも別対式ナックルガードを装着しており一目で同社製モーターサイクルと判断できる特徴でもあった。

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1989年春、当時WGPの開幕戦は鈴鹿。この年はエディーがホンダに移籍したりスペンサーがヤマハにやってきたり話題豊富な年だった。当然?予選も決勝も観に行きました。記憶が曖昧ですが平選手がポールポジションを獲ったことと決勝でフレディがホールショットを決めたことだけ覚えています。公式プログラムに入っていたステッカーを記念にと貼り付けたが色褪せもなくこんなに持つとは思わなかったなあ。

 

3XV倒立サス FRONT SUSPENSION (フロントサスペション)

17インチ3本スポークのキャストホイールに320ミリ大径シングルディスクに同径4ポッドキャリパーを39ミリ極太フロントフォークを装備。このフォーマットに影響を受けなかったメーカーはない。

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ヤマンボ(ブレンボもどき)、ヤマビック(マービックもどき)と揶揄されたが当時の小僧達は皆強力なブレーキと高速コーナーにおける素晴らしい安定性に感動したものだ。アクスルシャフト径12といったサイズは今となっては細すぎる感もあるがストリートユースではそうそう不満とはならないだろう。(2XTはシャフト径15となったため1KTとの互換性はない)

などと述べてみたが管理人の1KTは3XVの倒立フォークにコンバートしてしまっている。所有している3XVBと構成は全く同じ。したがって詳細はTZR250RSPを参照してください。(笑)

1KT STEERING STEERING (ステアリング)

3XVのフロント廻りに換装されてしまったフロント廻り。意外なほどマッチングは良好でポジションも見た目程きついものではない。

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三又シャフトはワンオフで作製。ハンドルストッパーも少加工が必要だった。ただし3XVのように常時点灯式ヘッドライトでないためディマースイッチはOW01用を使用している。

 

 

1KTタンク 

FUEL TANK  (燃料タンク)

カラーリングはストロボ赤白、ソノートブルーにマルボロと黒色の田村圭二レプリカカラーが追加ラインナップされていた。(2XTは赤白、梶ヶ谷(藤原)YZRイメージの青白2種類のみ)

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すぐに錆びるタンク。今まで新品タンクは4個購入してきたが塗装の被膜が薄いためいずれ穴が空いてしまう。90年以降のヤマハ車はタンク内の処理が変わったのか比較的コンディションは良好な物が多い。この年代のRZRやTZRは外見は綺麗な車輌でもタンクだけはご臨終となっているケースが殆どだ。すでに販売中止となっているパーツであり頭の痛い所だ。管理もつい先日最後のストックを使ってしまった。

SS-ISHIIバックステップ

BACK STEP(バックステップ)

組立て式のプレートは当時のイシイ製。レース用でサイドスタンドを外さないと装着できないためペダル類は適当なジャンクパーツを組み合わせてストリートでも使用できるようにしている。

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ダークブラウンアルマイトは当時のイシイ製パーツの特徴で同社のアルミサイレンサーも同じ色だった。

DELTABOX

DELTA BOX (デルタボックスフレーム)

衝撃的だったフレーム形状。スズキが先鞭となったアルミフレームはスチールフレームをアルミ角パイプに置き換えることにより軽量化を狙ったものであったが1KTは車体剛性の確保を狙って採用されたものだ。

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 ヤマハ初のアルミフレーム採用モデルはRZVだが実質的なアルミならではの長所を活かしたモデルは1KTからだ。プレス方法を多用したいかにも剛性のありそうなフレームだがカウルステーの形状により立ちごけ程度でも凹んでしまうことがある。仕上げも3MAや3XVといった後のモデルより遥かに丁寧に施されており当時のヤマハがこのモデルにいかにいれこんでいたかが伺える。

 

2XTエンジン POWER UNIT (エンジン)

R1-Z(TDR)オーナー羨望?の2XTエンジン。

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というのは今の話。90年代半ば位までは車体丸ごと数万、エンジン本体も数千円が相場だった。2XTは1KTとは全く別物の車輌と思ってよい。車輌丸ごとでなければスワップするのも難しいしそもそもそこまでするなら2XTにそのまま乗っていればすむ話だ。メッキシリンダーとリードバルブの大径化及びデジタル点火が他モデルとの相違点として語られるがキャブレターもパワージェットの番手が異なる。(スロー系も変更されているようだ)

 

2XT CDI

 CDI(コントロールユニット)

R1-Z(TDR)オーナー羨望?の2XTCDI。

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つける場所がなく(1KTのステーでは装着できない)タイラップで無理やり固定しており非常に醜い。早急に何とかしなければならない部分だ。

 

 

TZR250 REAR REAR SUSPENSION (リアサスペション)

パンタグラフのリンクから一般的な構成となった2XTのリンク形状。ここも1KTとの互換性はないがリンク更ASSYで交換してしまうことは可能だ。

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リンクをフレーム側に装着する際にアンダーフレーム固定用のボルトがオーバートルクで締め付けられているとリア廻りの動作に悪影響を及ぼす。しっかりとトルク管理をしてやろう。オーリンズはとっくの昔にカタログ落ちしているがサスペション本体は全長、上下取り付け形状共にR1-Zに近い。

 

ボルトオンでは着きません。

NITRON (ないとろん?・・・)

日本国内では2XT用のアフターサスペションは流通していない。かつてはオーリンズやWPが通常ラインナップしていたのだが・・・。かつてのイシイ製サスペションを彷彿とさせるスカイブルーと特注にもかかわらずリーズナブルな料金設定にオーダーしてみたが・・・。

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アルミボディでフルアジャスタブル。オーリンズをオーダーしてもどうせスチールボディとなってしまうことを考えればバーゲンプライスと言える。しかし製品管理などは、街の個人経営店レベルでラボカロ等と比べてはダメだろうと感じる。たまたまかもしれないが2週間の納期はパーツが揃わない。届いたパーツに不具合があった。と言われて結局納品されたのは100日程経過してから。まあそれはしょうがないとしてそのことを顧客に連絡してこないことが一番の問題。この分ではオーバーホール時には取り扱い店がどうなっているのか不安だ。決定的なのは過去に製作実績がありますから〜などと言っておきながら付かない(笑)というスゴイ精度である点だ。画像を見ての通り受け側ブラケットが長すぎてリンクに干渉する。この辺りも予め一部オーナー側で加工いただく必要があります。と一言あれば自分的には気にならないのだがもう文句を言う気力もなくなり干渉部分をカットして装着した。(でもサスの性能はすこぶる良好だ。)

SS-ISHIIチャンバー

EXHAUST PIPE (チャンバー)

スポーツショップイシイ製マジックファイヤ。上野の東京パーツ城西で購入した。当時の大人気モデルでありチャンバー類含めアフターパーツは星の数程あった。SP忠男などは何度もモデルチェンジしたチャンバーを販売していた。

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イシイもSP用、F3用といった用途別にチャンバーを販売していた。国際A級F3クラスでの同社のTZRはホンダファクトリーマシンRVFに迫るパフォーマンスを発揮しており筑波サーキットのような場所ではポールポジションを獲得していた。

 

DUNLOP TT900GP

REAR WHEEL (リアホイール)

リム幅3.5インチとなり130サイズのラジアルタイヤを標準装備していた2XTのリアホイール。フロントと異なりボルトオンで1KTにも装着可能だ。しかしこのサイズにマッチするラジアルは現在存在しないためわざわざ2XTやR1Zのホイールを履かせずとも1KTのSTDサイズである120のバイアスハイグリップをチョイスすれば充分だと思う。

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当時はダンロップのTT277かTT300やブリジストンのバトラックスもしくはヨコハマプロファイヤといった所が定番タイヤだった。当時からダンロップ派だった管理人は今もTT900をチョイスしている。TT300、TT500同様このタイヤもグリップはいいがあっというまに寿命がやってくる。ちなみに元気良く走る場合、リアブレーキは効き過ぎの感がある。TZのディスクを流用して小径化していうがマスタシリンダーの交換やブレーキパッドの加工も効果的と思う。

 

 

 

TZR250 1KT

RZ250RRの新車価格44万弱が1KTではいきなり11万も値上がりしたことにも驚いたが94年式の3XVB(SPモデル)にいたっては90万近い価格だ。このクラスがいかに先鋭化していったのかが伺えると同時にユーザーがついてこなくなったのも理解できるのではないだろうか。管理人の中では1KTはRZVと同じくらい大切なバイクだが所有車の中からどれか1台だけ選べと問われたら多分なんにでも使えるこいつだろう。日本のモーターサイクル史に残るモデルと思うが現在の市場評価はそうでもなく程度の良い個体は稀だが整備性も良好でオーナー自らセットアップしてやることは難しいことではない。R1-Zのパーツがメーカーから出てくる内は安心して乗ることが出来る筈だ。ただし後期型となる2XTは専用設計の欠品パーツも目立つことから維持には苦労するだろう。


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